漢方専門まごころ漢方薬店

漢方生薬と漢方処方薬の違い

漢方のご相談をしているとですね、たまに『生薬と漢方薬の処方って、違うんですか?』
というご質問をいただくことがあります。

料理に例えてみるとわかりやすいと思うのですが、漢方生薬は料理で言うところの材料になります。

そして、漢方処方は料理名ということになります。

少し違うとすれば、料理よりは、漢方処方は材料である生薬の比率がかなり細かくなっていて、それを守らないと薬としても効果が変わってしまいます。

料理店でも毎日、同じ味を提供しようとすれば、材料の質や配合比率、料理手順も毎回同じにしなければならないと思います。

漢方薬は薬ですので、飲んだ時に毎回同じような効果をもたらしてくれないと、病に対しての効果の進行度合いや影響力を正しく判断することができません。

同じ名前の漢方処方は出来るだけ、同じレシピ通りの製法のもので、体の反応をみる必要があります。

しかし、漢方薬のメーカーによっては同じ処方のお薬であっても違う反応が出る時があったりします。

同じ名前の漢方薬であってもメーカーさんが違えば、合う方と合わない方という場合もあるのです。

たまに、以前に違う薬局などで処方してもらった漢方薬を飲んでいて、あまりよくならなかったけれど、うちで体質判断をさせてもらった結果、前と全く同じ処方になったという方が、うちで出させてもらった漢方薬でよくなってきた!なんて例もたま〜にあるのです。

料理に例えると、

「葛根湯」を「カレー」と置き換えると、

「葛根湯」の材料が生薬と言い、「葛根湯」の中には、葛根(くずの根)、麻黄(まおう)、桂枝(シナモン)、甘草(かんぞう)、芍薬(しゃくやくの根)、大棗(なつめ)、生姜(しょうが)が入っています。

「カレー」には、スパイス、ウコン、人参、ジャガイモ、タマネギ、肉が材料として入っていますよね。

「カレー」は基本は辛い料理なので、子供が食べる場合は甘口にしたりと味を変えて、食べる方に合わせたりしますよね。

夏には、野菜をなすやピーマンなどの旬の野菜に変えてあっさりした夏野菜カレーを作ったりもしますよね。

時には、牛肉のこってりカレーより、シーフードカレーが食べたい時もあります。

料理と一緒で、例えばですが、元々の漢方処方である「葛根湯」ではちょっと、きついな。という体質の方もいらっしゃるのです。

その時には、そのキツさを和らげることを考えなければなりません。

生薬を一つ増やすことで対応できることもあったりもします。

漢方薬は生薬の数が少なくなるほど、効き方がシャープになるという性質をもちます。

効きすぎて、体のバランスが崩れてしまうことが一番心配です。

例えばですが、カレーの中に入っているウコンも漢方生薬の一つです。

ウコンも体にいい!と言われていますが、ウコンを生薬単品で摂ることより、カレーとして食べたり、ウコンが生薬構成の中にある漢方薬を飲む方が体にとっては安心ではないかと思います。

すでに過去の漢方医が考案して伝わった500種類以上ある処方薬というのは、誰でも知っているような料理名と同じように、とても優れた漢方処方薬に違いありません。

漢方を処方する場合には、まずはその中のどれかに当てはまるかどうかを検討することが大切です。

いきなりのオリジナル処方ははっきり言って、かなり高度な漢方家にしか出来ない技ですね。

また、創作料理と同じで、オリジナルの創作料理は、最初はインパクトがあっても、えてして長く食べ続けたいと思わないものが多いです。

もし、オリジナリティー豊かな処方を出される漢方家さんに出会った時は、要注意!

オリジナルだから自分に合っているとは限りません。

矛盾点やおかしな点がないか、わからないことはしっかり聞いてみましょう。

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【引用先及び参考図書・Webサイト】
◯ ツムラ医療用漢方製剤マニュアル
◯ オースギ医療用漢方製剤マニュアル
◯ 漢方方意辞典:緑書房
◯ 類聚方広義解説:創元社
◯ 勿誤薬室方函:創元社
◯ 漢薬の臨床応用:神戸中医学研究会
◯ 中医処方解説:神戸中医学研究会
◯ 平成薬証論:メディカルユーコン
◯ 近代漢方薬ハンドブックⅠ:薬局新聞社刊
◯ 近代漢方薬ハンドブックⅡ:薬局新聞社刊
◯ 近代漢方薬ハンドブックⅢ:薬局新聞社刊

ブログの著者 東洋医学カウンセラー 松村陽子

ブログの著者 東洋医学カウンセラー 松村陽子

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