漢方専門まごころ漢方薬店

タイプ別体質で漢方薬を選んだら効果がありません

だいたいの体質タイプで何かを分けるというのは、血液型や星座で、性格を分けるようなものではないかと思うのです。

私は天秤座です。だからと言って、天秤座の方、全員が同じ性格で、同じ運勢なわけがないですよね。

タイプ別の考えからいけば、同じ運勢の方は毎日同じ物を食べて、同じようなファッションをして、同じラッキーアイテムを持っていればいいわけです。

そうすれば、みんながハッピーになって世の中、平和!なわけないですよね。

そう、実際は、タイプ別に分けたって意味がない!ということを本当はみんな知ってますよね!

星占いなら、その日の気分を上げたり、やる気にさせたり、気を引き締めたりするのに、気持ち的にとても役に立つところもあるのでいいと思います。

でも、漢方薬を処方するための体質判断は、そんな軽いノリでいいのでしょうか?

お薬の決め方ですよ!

間違えたら、病気がより重くなるかもしれない本当に怖いものなんです。

私も何度か経験していますが、漢方薬での誤治(間違った漢方薬を選び副作用を起こさせる治療)は結構、辛いものがあります。

仕事柄、自分の体で実験的に、どんな風に治るかどうか?をチャレンジする側面もあるのですが、「今回、ゴチッってしまった!あちゃー」なんてことは普通にあります。

「ゴチったかも…」と思ったらすぐに飲むのをやめて、その後、他の漢方薬で必死で治すんですけどね(笑)

漢方の知識があるので、行き過ぎたり、やり過ぎたことがわかれば、それを元に戻すようにするだけなので、そんなぐちゃぐちゃにはならないのですが。

よく、雑誌なんかでも「あなたの体質は、どのタイプ?」と気血水の6種類くらいの漢方薬のタイプに分けられていたりするのですが、その6種類の中に当てはまる漢方薬で果たして病態がよくなるのでしょうか。

こんな、星占い的な軽いやり方の診断で、6種類のタイプの中から一番、自分の症状と近い漢方薬を選んで飲んだとします。

そして、副作用が出た場合は、その後、どうします?

「この漢方薬は自分に合うはずだから」と思って、少々の不調には目をつぶって信じて飲み続けるか、「これは自分には合わない」と飲むのをやめてしまうかのどちらかになってしまいますよね。

前者の場合、不調があるのに、信じて飲み続けるというのは一番危険です。

すぐにやめないと体質が悪い方にこじれてしまい、病気がより複雑化することもあります。

簡単なタイプ別の体質判断基準で漢方薬を選んだ時には注意してくださいね。

漢方専門病院のお医者さんでも、こんな漢方薬の選び方をしている場合もありますので。

では後者の「自分に合わない」と思って、やめてしまう場合は、せっかく漢方薬に出会ったのに、本当の効果を知らないまま漢方薬とサヨナラしてしまうという結果になって、残念ですよね。

漢方薬は「なんとなく〜」「だいたいこんな感じかな〜」で選ぶものではないのです。

そこにはちゃんとした理由根拠がなければ意味がありません。

漢方でも西洋医学の好きなエビデンスが’必要なんです!(この場合のエビデンスは東洋医学理論の根拠でしょうか)

漢方薬は、病院の薬のように症状を抑えることが目的ではありません。

場合によっては、自分が治ってほしい症状から治るとは限らないので、『自分の気になる症状からよくならない』と思うのは早計です。

その漢方薬を選んだ理由から、導き出した漢方薬が合わなかったら、それは、選んだ理由が間違っていたということなんです。

でもちゃんと筋道を立てて、理論的に漢方薬を選んでいたならば、効かなかったり、もし副作用が出たとしても、その理由が分かるのです。

だから、「次の治療はどうすればいいのか」がわかるので、次に処方する漢方薬は、より体質に合ったものにできるのです。

漢方薬は自然薬で体に優しいものであるのにはちがいありませんが、間違った体質判断の元に飲むと「どこが体に優しいの?」と思うくらい大変な症状になることもあるのです。

自然の素晴らしい力は、ちゃんとした知識の元でしか発揮できないのです。

これからもいろんな事を学んでいって、漢方という考え方をもっともっと身近なものにしていきたいと思います。

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ブログの著者 東洋医学カウンセラー 松村陽子

ブログの著者 東洋医学カウンセラー 松村陽子

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