漢方専門まごころ漢方薬店

漢方と西洋医学の検査方法の違い

西洋医学の検査方法

最も基本的な検査は血液検査です。
血の中の鉄分量が少なければ貧血だと判断したり、コレステロールが多ければ、肝臓の病気になっているかを疑ったりと健康な状態とは異なった状態をみて、何かの病気になっているのかを判断します。
検査の基準値はあらかじめ決まっていて、その値よりも高いとか低いという感じで判断します。
検査の基準は、いろいろな人の健康な状態の平均値としています。
極端な検査数値の異常値は、何らかの病気を見つけやすいですが、微妙な数値の変化は、何カ月かの変化を追っていかなければ判断しづらいです。
その他、心電図で心臓の働きが正常かをみたり、レントゲンで身体の中をみて、ポリープがないか、骨折していないかをみます。
胃カメラはカメラで身体の中をカメラでそのまま見ます。
MRIは、CTも身体の中の状態を見るものです。
エコーは超音波によって身体の中の状態を見るものです。
このように西洋医学の検査は、身体の中を機械などを使って見るものが中心です。
検査数値で異常であれば、病気だと判断して、高血圧のお薬やコレステロールのお薬を処方しますが、検査数値が異常かどうかをみる基準値は国によって変わるものもあります。
検査で重視するのは、客観性です。
患者さん自身の思い込みなどを避けるためです。
ですから、ひどい頭痛があっても、検査をして異常がない場合、西洋医学では何も異常がないので、患者さんの思い込みのせいにされたり、ひどい場合は、精神的な病気だと判断されることもあります。
これは、身体の中の変化さえ調べれば、病気を特定できるといった考え方に基づいています。
私自身の経験から、ウィルスや外傷、体調が悪くなった原因が本人もはっきりとわかっていれば、非常に有効だと思いますが、慢性病では直接的に役立つとは思えません。

漢方の検査方法

漢方は、身体の中以外の様々なことを検査をするというよりは観察をします。
患者さんの姿、顏色、声の大きさ、話し方、症状、仕事、好きな食べ物、嫌いな食べ物、休日の過ごし方、舌の状態、脈の状態、お腹の状態。
患者さんのもともとの体質や取り巻いている環境から現在の身体の状態を分析します。
症状は、特に自覚している症状を重視します。
西洋医学のような機械による客観性より、患者さん本人が訴えていることを重視します。
ただし本人が訴えている症状を重視するといっても症状の感じ方は、人それぞれです。ほとんど痛みがないのにすごく痛いと訴える方。かなりの痛みのはずなのに我慢強く、痛いと訴えない方。それらは、本人が訴えている症状を尊重しつつ、自分自身の経験によってどれくらいの症状なのかを判断していくのです。

漢方の検査手順

まずは、姿。
身体が大きい、小さい、筋肉質、太っている、やせている。
それらを観察します。
次に顏色や肌の色を観察します。
白い色、黒い色、土色、赤ら顔、顏色は日焼けや何かの影響ではないかどうか。
声の大きさや話し方も重要です。
大きな声、小さな声、はきはき話す人、ぼそぼそ話す人。漢方相談時に緊張していて、普段と違う話し方になっていないかどうかを確認することも重要です。
現在の症状、これは最も重要です。
漢方では、症状とは、身体の中の異常サインです。
症状をいろいろと組み合わせて、体質を判断しなければいけません。
この時にいろいろな話をすることによって、大げさに言いがちな人か、がまんして症状をあまり言わない人か、そういった事も考えながら、できるだけ、細かく詳しく症状をお聞きする必要があります。
仕事や休日の過ごし方も重要です。
仕事の内容によって身体がどんな環境にさらされているか?
主婦の方なら運動不足になっていないか?パソコンの仕事なら下半身の血の巡りや運動不足になっていないか?
外で仕事をすることが多ければ、寒かったり、暑かったり。
ストレスは、緊張型なのかどうか?
仕事の環境が身体にどんな影響を与えているかを調べます。
好きな食べ物や嫌いな食べ物
食べ物は毎日食べたものが私たちの臓器や皮膚をつくっています。
当然、よくないもばかりを食べていれば、調子が悪くなって当然です。
そればかりではなく、体質にあったものを食べているかどうかも重要です。
食べ物にも温めたり、冷やしたりといった性質があるので、冷えている人が冷やす食べ物ばかり食べたり、のぼせのある人が温める食べ物ばかり食べていては調子が悪くなります。
舌やお腹、脈の状態は、臓器の状態を示します。
舌の形や色、厚みなどをみることによって現在の状態を判断します。
お腹は、どの部分がやわらかいか、硬いかなどをみて現在の状態を判断します。
脈も脈の流れ方などで、現在の状態を判断します。
ただし、脈は急性症(風邪や急に下痢になるなど)では、信頼性が高いが、慢性になると判断しづらいといわれているのが難点です。
舌、お腹、脈は切診というのですが、切診にはいろいろな問題があります。
それは、見る人の主観がかなり強くなるということ。
いろいろな状態を調べるための理論や基準はあるのですが、感覚に頼るところが大きいので、いつも同じ状態で測定できているかどうかが怪しくなります。
特に腹診はよほどの熟練の技でない限り、微妙なやわらかいとか硬いとかを判断することは難しいです。
また、調べる患者さんが、はじめて会った人の場合、その人がもともとどんな状態だったのかがわかりません。
お腹は、硬すぎてもやわらかすぎてもだめですが、現役の空手家と80歳のおばあちゃんでは、どちらも健康であってもお腹の感触は違うので。
このように西洋医学は、機械による客観性を重視し、漢方は、患者さん本人の訴え、主観性を重視します。