漢方専門まごころ漢方薬店

便秘に効くお薬と便秘症を治すお薬の違い

最近、若い女性の中で、便秘に悩まれている方が多いみたいですね。

ひどい方だと4、5日も便が出ないという方もいらっしゃると聞きます。

お店にもよく、便秘についての漢方薬の問い合わせをいただくこともあります。

今日は、便秘の薬について書いてみたいと思います。

便秘の代表的な薬

病院の便秘薬と漢方薬を紹介したいと思います。

病院で処方される便秘のお薬:
お腹の中を水を集めて便を軟らかくして、便を出すタイプの「マグミット・マグラックス」

CMで有名なコーラック:
神経系の刺激で腸に刺激を与えて、便を促すお薬

便秘薬として一般的に売られている漢方薬:

  • センナ
  • 大黄(だいおう)→大黄甘草湯(だいおうかんぞうとう)、桃核承気湯(とうかくじょうきとう)、潤腸湯(じゅんちょうとう)、麻子仁丸(ましにんがん)
  • 便秘に効く漢方薬と言うと、このような漢方薬が挙げられます。

    病院の便秘薬は飲み続けたくない人がいらっしゃるみたいで、

    そこで、「病院で出されるマグミットなどの薬は、ずっと飲み続けないといけなくなるので、漢方薬なら体に優しいので、飲んだら便秘が治りますか?」
    というようなご質問をよくされるのですが、飲む薬を漢方薬に変えたからと言って、残念ながら根本的な便秘の治療にはなりません。

    なぜかと言うと、一般的に便秘の薬として売られている漢方薬は、体質をみないで飲むわけですから、ある意味どんな人でも、便が出るような薬でないといけません。

    となると、どんな人でも便秘が解消されるほどの強い薬でないといけないのです。

    トップクラスの強刺激の便秘の漢方薬がセンナ

    漢方薬の中でも、もっとも刺激の強い薬が『センナ』です。本来の漢方薬名は「番瀉葉(ばんしゃよう)」と言います。

    どれくらい強いかと言いますと、漢方薬の本には、「強い刺激性があり、腸の蠕動(ぜんどう)を促進して服用後約3時間で数回下痢させる」とあります。(引用「漢薬の臨床応用」:医歯薬出版株式会社)

    東洋医学では、どういった場合にセンナを服用するかと言うと、死に至るような毒や菌をすぐに体の外に出すためです。

    命がかかっている場合に必要な薬なのです。

    薬の構成生薬の中に『大黄(だいおう)』という生薬が入っている「大黄甘草湯」のような漢方薬もまた、大黄の刺激によって、下痢をうながすのです。

    このような漢方薬は、漢方薬だからといって、体に優しいわけではなく、病院で出される漢方薬であったり、市販の便秘薬と同じように強い刺激によって、薬を飲んだ時に強制的に便を出すわけであって、便秘症である体質を変えるような働きをする薬ではないのです。

    本来の漢方治療では、センナや大黄の入った漢方薬は、補助的に頓服として使うことはあっても、便秘の体質を改善する場合には選ぶことはありません。

    便秘を根本から治すには、体全体の体質をみて漢方薬選びますので、このような強いお薬を飲み続けることは、漢方治療とは異なるのですね。

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    ブログの著者 東洋医学カウンセラー 松村陽子

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