漢方専門まごころ漢方薬店

漢方薬は高額だからといって効果が高くなるわけじゃない!

漢方薬のお値段ってどれくらいなのでしょうか?

漢方での治療を始めようと思って、相談に行ったとします。

相談先によっては、1ヶ月分の金額が10万円前後という高額な金額を提示される場合もあるかもしれません。

それが、その方の体質に合わせて、本当に治療として必要なものであるなら、問題はないかもしれません。

ですが、体質改善のために飲む漢方薬というのは、どちらかというとそんなに高額なものを飲み続けるということはありません。

漢方薬の種類には、大きくわけると動物生薬と植物生薬があります。

高貴薬と呼ばれる高価な漢方薬(牛黄)

高貴薬(こうきやく)と呼ばれる大変高価な漢方薬は、動物生薬のものが多いのです。

牛黄(ごおう)と呼ばれる漢方薬は、金と同じくらいの価値があるものも存在するくらい高価なもので、牛の胆石を原料としており、心臓の拍動を上げて元気にします。

一般の漢方薬局などは風邪のひきはじめや、病後の体力回復の際によいとしていますが、本来は、高熱や意識障害、筋肉の痙攣に使う生薬です。

漢方薬としてはとても強いもので、本来は、かなり体力のある方でないと、続けて飲むことができません。

このような高価で強いタイプの漢方薬は、少量なら気つけになりますが、どちらかというと毎日飲み続けるより、頓服的に飲む場合が多いのです。

そんな強い漢方薬を1ヶ月単位で購入して何ヶ月も服用すると、逆に体に負担がかかってしまいます。

牛黄(ごおう)を癌を患っている方が良いとすすめられて、飲んでいたというお話を聞いたことがあります。

ものすごくお金がかかったらしいですが、残念ながら癌に効果はなかったとおっしゃっていました。

当たり前ですね。

漢方の理論的には、「癌に効く!」とか、まるでデタラメな話だから、

漢方での治療を始めるなら、『高額=効果のあるもの』というふうに思わないでほしいのです。

どんなに高価であっても体質に合っていなければ意味がない

あくまでも、漢方の治療は、その方の体質判断をすることから始めます。

『今の体の状況に、どのような問題があって、それを改善するためにどのような効果のある漢方薬を選び』

『その漢方薬を飲むことによって、どのような症状が出なくなるのか』

また『漢方薬を飲んだ後、どのような症状が出たら、合っていないと判断するのか?』というような、治療の計画を明確にすることが最も重要なのです。

1番怖いのが『この漢方薬はとても貴重で高額だからこそ、万能で効果が高いものです』という説明ですすめられる場合です。

なぜ、今、高額な漢方薬を飲む必要性があるのかどうか?

貴重で高額かどうかではなく今の自分の体質に合っているのか?

それを飲むことによって、どのような改善がみられ、次の治療にどうつながっていくのか。というような説明がないと、ただ単に、良いものだから、とにかく元気になりますよ。

という説明だけでは飲むべきではありません。

それは治療ではなく商売です。

正直、動物生薬のような高額な漢方薬は、飲む人の体質をかなーり選びます。

誰でもかれでも飲んでいいわけではありません。

特に何かしらの症状をお持ちの場合は、飲むと危険なこともありますので、だからこそ、漢方治療の前の体質判断がとても大切になってくるのです。

例えば、胃腸が弱い方であったり、心臓が弱い方であったら、それこそ、強い漢方薬を飲み続けていれば、体の違う部分が悪くなってしまう恐れがあります。(それを誤治と言います。)

もう一つの漢方薬が高額になる理由

また、1ヶ月の漢方薬代が高額になるケースには、もう一つあります。

複数の漢方薬を合わせて高額になる場合です。

なぜ、漢方薬が複数になっているのか?

理由は簡単です。

『漢方薬をちゃんと選んでいないから』

漢方薬をちゃんと選んで絞ることができていないからです。

きちんと体質判断をして、漢方薬を選んで相談をされている場合、処方を複数にしたりはしません。

頭痛に五苓散、不眠に半夏厚朴湯なんてマニュアル処方はデタラメですよ。

なぜなら、たくさんの漢方薬を一度に出してしまうと、どの漢方薬が、どの症状を良くしていっているのか、また逆に悪くしていっているのかがわからなくなるからです。

もし、複数の漢方薬を同時に処方している場合は、体質を総合的に判断できず、いろいろな症状ごとにマニュアル的に漢方薬を当てはめているに過ぎません。

でも、漢方薬は、1種類の薬で1つの症状を抑えるものではないのです。

『1つの種類で全身の症状を調整します』

症状が悪くなったり、良くなっていないと言えば、どんどん漢方薬の種類が増えていくことにもなりがちです。

うちでは体質判断の上、漢方薬をお選びし、その後、漢方薬を飲まれてどうなったのかをお伺いし、その都度、漢方薬を選び直しますので、あれもこれもと複数の漢方薬を同時にお出しすることはありませんよ。

複数の漢方薬を処方されて高額になっているなら、『ちゃんと1つの漢方薬に絞ってほしい!』とお願いしたほうがいいと思います。

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【引用先及び参考図書・Webサイト】
◯ 図説東洋医学(基礎編):学研
◯ 図説東洋医学(湯液編Ⅰ):学研
◯ 図説東洋医学(湯液編Ⅱ):学研
◯ 漢方概論:創元社
◯ 漢方臨床ノート(論考編):創元社
◯ やさしい中医学入門:東洋学術出版社
◯ 中医診断学ノート:東洋学術出版社
◯ 中医処方解説:神戸中医学研究会
◯ まんが漢方入門:医道の日本社

ブログの著者 東洋医学カウンセラー 松村陽子

ブログの著者 東洋医学カウンセラー 松村陽子

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