漢方専門まごころ漢方薬店

冷えは病院で治らない

毎日、ますます冷え込んできました。
「とにかく体が冷える」「ひどい冷え性だ」という方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか?

冷え性は、ほっておくと次の病気の原因になる可能性があります。
冷えを感じるということは、何かしら、ご自分の体が不調を表していることを意味します。

ですが『冷えや冷え性』は世間的には病気ではないのです。

でも、困っている場合は、まず病院で受診することを考えますよね。
果たして、どの科に受診しに行かれますでしょうか。

きっと、どの科に行っても何かしらの診断は下るのではないかと思います。
例えば、
(精神科なら)「ストレスからきているのではないか」
(婦人科なら)「ホルモンのバランスが乱れることが原因ではないか」
(循環器科なら)「血液循環の悪化ではないか」
(内科なら)「低血圧が原因ではないか」

とその科の得意分野の原因を探られるでしょう。
そして、血液検査やホルモンバランスのチェック、甲状腺ホルモンの検査や血圧を調べられそうです。

冷えの診断だけで、かなりの検査を覚悟しないといけないですね。
いろんな科に相談に行けば行くほど、冷えの原因の数も無限に広がっていきます。

ですが、冷え性は何科の医者でも原因を特定することはできないそうです。
冷え性は西洋医学では病気とされていないため、どこかの科に分類されるというはっきりした病気ではないからです。
冷えは様々な病気によって悪化するもので、何科にかかればたちまち治るということでもなく、何科にかかっても、冷え性が直接、治る薬はないことは医者自身が重々承知です。

もし、患者さんから冷えの相談をされた場合、その病院で漢方薬を取り扱っていれば漢方薬を処方されるでしょう。
西洋医学においては、冷えはどんなにひどい症状であっても病気ではないからです。

冷えの保険適用の漢方薬(ツムラの場合)

手足の冷え=十全大補湯、人参養栄湯
足腰の冷え=温経湯
腰の冷え=苓姜朮甘湯
下肢の冷え=半夏白朮天麻湯

とツムラのマニュアルでは部位別に分けられています。

部位別に分けているのも意味不明ですが、よくみると(手足の足)(足腰)って(下肢)と一緒で無理やりマニュアル的に分けようとしているのが、伝わってきます。

本来の漢方では冷えは「冷えるから」だけで診断しない!

病院はさっきのような意味不明なマニュアルで漢方薬を選びますが、本来の漢方では体質から冷えを治すための漢方薬を選びます。

大きくは①血の巡り、②血の不足、③水滞証、④上焦の熱証、⑤気の変調、⑥脾胃の虚証、⑦寒証、⑧下焦⑨虚証の寒証の9つのタイプの証に別れ、それぞれのタイプの中に更に3・4種類の漢方薬の候補があります。
つまり「冷え」だけだとしても36種類位から体質別に漢方薬を選んでいくのです。

ツムラのマニュアルが5種類の漢方薬の中から、漢方専門家は36種類の漢方薬の中から選ぶ。
言い方を変えれば、医者は人間の冷えには5種類のタイプしかいないと考えるか、漢方専門家は人それぞれ36種類のタイプがいると考えるかの違いがあります。

言うまでもなく5種類しかいないと考えるのは専門家からすると、かなり低レベルな治療になってしまいます。

実際の漢方治療では「冷え」という1つの症状だけを治すためだけに治療することはありません。
全身の調整を行いながら、同時に「冷え」を治していくので、9つの証はそれぞれ組み合わさってることが多く、例えば①と③と④の証が重なっていることなどもあり、①と③と④の証の全てを同時に調整できる1種類の漢方薬を選びます。
苓姜朮甘湯なら③と⑧の証があるのかどうかなど。

この場合も医者はすぐに症状ごととか、1つの項目ごとに漢方薬を選んで複数にしようとしますが、漢方薬は1種類でも8種類位の生薬が含まれていて、基本的には全身の状態に合わせて1種類の漢方薬まで考え抜いて絞り込みますので、複数の漢方薬を平気で処方するような先生はレベルが低そうなので一応、注意しておいたほうがいいですよ。

漢方の体質診断は人それぞれの体質を診ていくので「一般素人の方や医者」が考えるような単純なものではありません。

ブログの著者 国際中医師 松村直哉

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