漢方専門まごころ漢方薬店

体質判断の手順と流れ

同じ病気で悩んでいる人もそれぞれ、体格や体質、環境は皆は全く違います。漢方薬が500種類以上もあるのは、ひとりひとりの体質にあわせるためです。たくさんの漢方薬の中から最適なものを選ぼうと思ったら、東洋医学的な体質判断が必須です。
このページでは、東洋医学に基づいてどういった方法で体質判断するのかを詳しくご紹介しています。
【1.体質判断表に記入いただきます。】
初めは直感で書いていただいてかまいません。
後でこちらから各項目を詳しくお聞きしながら一緒に整理していきます。
【2.体質判断表にお書きいただいた症状を整理します。】
先ほど直感的に書いていただいた症状をいろいろなお話をしながら整理します。漢方は、症状や病名をあてはめて選ぶのではなく、体質にあわせるものなので、体質を分析するために時には、症状や病気と関係ことが重要なこともあります。

病名や症状をあてはめて漢方薬は選びません。病名や症状をあてはめて、マニュアル的に対応する場合、簡単ですばやく漢方薬を選びことができますが、精度が悪いため当店ではこういった方法はとりません。

【3.症状・体格・性格などから総合的に体質を分析します。】
症状の組み合わせによっていろいろな体質が考えられます。いろいろな質問をしながら最も確率の高いあなたの体質を考えます。体質分析は漢方家の知識や経験によって様々です。当店では以下の方法で体質の分析をします。
【4.あなたの体質の調整ができる漢方薬を選びます。】
いわゆる体質にあっている漢方薬を探します。効果や作用で選ぶのではありません。鑑別というスキルが必要で、鑑別は漢方薬を選ぶうえで最も重要です。
【5.現在の体質、それに対応する漢方薬の役割を説明します。】
根拠なく「この薬はあなたにあっているから」「よくなった例が多い」「気をみるとそうなっていた」などといったあいまいな理由で漢方薬を選んでいませんので、あなたにご理解いただけるようご説明し、わからない部分があればなんでもご質問をお受けします。
【6.病因や不快な状態の原因を探します。】
遺伝や感染症、外科的問題でない限りは、病気の原因は、あなたを取り巻く生活環境の中にあります。 体質がわかれば、なぜその体質になったのかといった推測ができますので、ご一緒に普段の生活養生をどうすればよいかを考えていきます。
【7.漢方薬が起こすであろう変化を説明します。】
体質に対応した漢方薬を選んだということは治法(漢方薬で身体のバランスをとる方法)がすでに決まっています。これは、占いのような曖昧なものではなく、漢方理論として推測できるものです。 今後、どんな変化が起こる可能性があるかをお話します。
【8.体質変化のチェックをします。】
初回の体質判断でどの症状がどう変化するのか推測をたてていますので、その症状がどう変化したかをお聞きします。変化によって同じ漢方薬を続けたほうがよいか。違う漢方薬に変えたほうがよいか。を検討します。気になる症状が「よくなったから」「悪くなったから」といった”2択”で選ぶわけではありません。よくなっていても変更していく場合もあります。

ご注意いただきたいのは、悪い感じになったからといって即、身体にあっていないとは判断できません。体質を調整する力は人によって違います。また調整する方法も人によって違います。はじめに詳しく体質判断していただいているので、そこから推測された変化と照らしあわせて漢方薬をどのあたりで変更するか又は、変更しないで続けていくかを私が知識と経験で判断します。

よく漢方のお店や病院はいろいろあるがどう違うのかと質問されます。まさに違うのは、この体質判断と選択する漢方薬、そこから導き出される今後の方針といった部分が漢方家によって変わります。体質にあっている漢方薬かどうかというのは、飲んだ結果よくなったかどうかで、漢方家の重要な仕事は体質の分析や方針をたてることです。それにどれだけの手間暇時間をかけるかだと考えています。漢方は一人一人の体質にあわせるためマニュアルが現実には通用しませんので、適当な方法は適当な結果しか生まないと考えています。

ブログの著者 国際中医師 松村直哉

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