漢方専門まごころ漢方薬店

お薬に頼らなくてもよくなる体質

【対処療法と根治治療】
治療には対処療法と根治治療があります。
対処療法というのは、薬の効果で、不快な症状を一時的にとってくれる治療です。
風邪をひいたときに咳を止めたり、喉の痛みを止めたり。
薬の効果がある時間というのは決まっていますので、効果の時間が切れれば、また症状は復活します。
根治治療というのは、根本的な問題となっている原因を取り除く治療です。
風邪の場合は、風邪ウィルスです。
残念ながら、一定時間だけ咳を止めたり、喉の痛みを止めたりする新薬はありますが、風邪ウィルスを殺す新薬はありません。
(抗生物質は風邪ウィルスを殺すことはできません。風邪からの2次的被害がおこるかもしれないという予想のもとに他の菌を殺すものです)
抗生物質が風邪ウィルスを殺さないのであれば、何がその原因を取り除いてくれているのでしょうか?

【結局、病気を治すのはあなたの自然治癒力】
それは、あなたの自然治癒力です。
漢方薬はこの自然治癒力が最大限発揮できるように体内のバランスを整える役割です。
飲んでいる間だけ効かせるというわけではありません。
また自然治癒力を発揮できるよう体内バランスを整えていく過程でいろいろな症状がよくなるのです。直接、症状を抑えていくものではないのです。
漢方薬は、じっくりと効いてくると思われているのは、こういった働きだからです。
しかし、直接、症状を抑えるわけではないといっても、どんな時もじっくりと効いてくるわけではないのです。
体質によってじっくりと働く時もあれば、体質によって早く働く時もあるのです。
また、漢方薬と体質があっていなければ、変化がないことがありますが、あっていれば、皆さんが思っているより比較的早く働くのです。
その証拠に漢方のはじまりは風邪の治療からです。
風邪の治療で3ヵ月かけてじっくりと効いてくるのであれば、役にたちません。
遅くとも2、3日、普通なら、1日単位で効いてこないと薬の意味がありません。
先ほどの風邪の場合、漢方ではお薬が直接、風邪ウィルスを殺すわけではありません。
タイミングと体質によっては、汗と一緒に風邪ウィルスを追い出したり。
タイミングと体質によっては、オシッコと一緒に風邪ウィルスを追い出したり。
タイミングと体質によっては、肝の臓の機能を高めて、免疫に風邪ウィルスを排除してもらったりするのです。
結局、西洋医学(菌や中毒、外科的原因を除く)であろうが東洋医学であろうが、慢性的に悩んでいる病気を根本的に治すのは、あなたの自然治癒力です。
今、どういった状態で自然治癒力がうまく働かなくなっているのか?
その自然治癒力がうまく機能していない状態が現在のあなたの体質です。
そして、漢方薬は、その体質にあわせて選ぶことが必要です。

【お薬に頼らなくてもよくなる体質】
漢方薬は体質を整えていくので、身体は一度、正常なバランスを取り戻すと今度はその状態を続けていこうとします。
調子が悪くなった状態が続いていた時と正反対ですね。
その状態がしばらく続けば今度は漢方薬をやめても身体は自分で自分の身体を調整する方法を学んでいます。
その時に漢方薬をやめればお薬に頼らなくてもよくなる体質になります。
ただし、これから病気にならない身体になるわけではありません。
人間の身体は様々な要因で病気になります。
健康になったとしても、また何か環境の変化があれば病気になってしまいます。
でもご安心ください。
一度、バランスのとれた体質になった方は、今度は、早め早めに漢方薬でよくしていけば、またすぐによくなるのです。
また、病気にならないよう、体質にあわせた生薬を日常、飲むことによってバランスの崩れにくい、周りの環境に左右されない強い体質を手にいれることもできます。
漢方の本来の治療は病気になる前の状態である未病を予防することが最も重要なのです。

ブログの著者 国際中医師 松村直哉

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