漢方専門まごころ漢方薬店

サプリメントって必要なんですか?

いろいろなサプリメントの種類

漢方薬とあわせてサプリメントを同時に飲んでいる方もいらっしゃるでしょう。

当店でも不妊症の方から葉酸やマカと一緒に飲んだほうがよいのかどうかをよく聞かれます。

これは、よいとも悪いとも言えません。

サプリメントには、大きく4種類のものがあります。

  1. 原料が食べ物由来のもの(牡蠣などを原料としたもの)
  1. 原料が生薬のもの(タンポポ茶など)
  1. 漢方薬の名前を変えてサプリメント的な位置づけにしているもの(ナイシトールなど)
  1. ビタミン剤

【① 原料が食べ物由来のサプリメント】
食べものを濃縮エキスにして、錠剤などにしています。

例えば、カキ肉エキスの牡蠣や、青汁の大麦などです。

漢方薬の歴史をひも解くと、もともとは食べ物によって治療しているところから始まります。いわゆる薬膳や民間療法です。その時の症状にあわせて、それに対応した食べ物で病気を治していました。

食べ物では、薬性が弱いので、今度は生薬というものを使いはじめました。それが漢方薬です。
漢方薬は、生薬の特性を組み合わせて、いろいろな不快な症状に対応しますが、食べ物にも実は、身体に変化を与える食性というものがあるのです。
生薬ほど、変化が強くないので、毎日の食事を体質を気にしながら、つくるほど神経質になる必要はありませんが、その食べ物がサプリメントになると事情が違ってきます。
サプリメントは、食べ物が非常に濃く濃縮されているので、その分、変化を与える力も強くなっていると考えられます(だから健康によいといわれています)
そうなると、漢方薬と同じように体質にあったものをとっていかないとよくないということになるのです。
現状のサプリメントは、新薬と同じ理屈でどんな成分がどんな働きをするかといった研究をしていることが多く、食性や体質を考えたものはありません。
成分だけで、体質とあっているかどうかわかりません。
サプリメントになると漢方薬と併用する場合、体質にあっているかどうかを考えていく必要があります。
逆に食べ物として大量に食べてよいもの、もしくは、食事だけでは不足していると考えられるもの、例えば、緑のものなどは、サプリメントしてとられても体質に悪い影響は与えないでしょう。
食べ物由来のサプリメントは、体質を判断して必要かどうかを考えるということ。
そして、不足していてなおかつたくさんとっても問題ないものは積極的にとっていくことがよいでしょう。サプリメントの食性を把握している先生にアドバイスを受けるようにしてください。

【②原料が生薬のもの(タンポポ茶など)】
原料に漢方薬で使われている生薬を使用しているサプリメントや医薬品があります。
これらは、言うまでもなく、漢方薬と同じように体質を判断し体質とあっているかを考えて併用していくのがよいでしょう。
生薬であっても、穏やかな薬性で難しく体質を考えなくてもよいものもあります。
しかし、生薬を原料としたサプリメントはだいたい、成分だけを調べて、どんな成分が身体によいのかといった研究をしているものが多く、漢方として、体質にあうかどうかをみていないものが多いので、注意が必要です。
生薬は薬なので、どの生薬も細かく調べれば、なんらかの役に立つ成分は発見されます。何百種類の生薬の1つをサプリメントとして飲んでいても、何の意味もないのです。
漢方薬はたくさんの種類を飲めばいいというわけではありません。
あなたの体質にとって必要な種類、量などバランスがあるのです。
いろいろなものをとりいれるとバランス自体が崩れることもありますので、総合的に考えていく必要があります。

【③漢方薬名を変えてサプリメントにしているもの】
先ほどの『原料が生薬のもの』と同じで、名前をサプリメント風にしている漢方薬です。
ナイシトールなどがそれにあたります。
ナイシトールは防風通聖散という漢方薬ですが、当然、防風通聖散は太っている人すべてによいわけではないのです。
もちろんダイエットの漢方薬でないことは言うまでもないことです。
なぜなら、太っているといってもいろいろな体質の方がいらっしゃるからです。
こういった商品は、たくさんあります。
病名漢方や症状漢方と一緒で、販売するメーカー側が勝手に一番効きそうな病気に絞って販売していることが多いです。
あなた自身でセルフで購入できるようになっていて、相談して購入するようにはなっていません。ということは、漢方薬なのに漢方の理論を無視して販売の事のみに絞っておすすめしていることになるのです。
こういった漢方薬をとりあえず、ためしてみるのも1つかもしれませんが、体質にあっていなければ下痢になったり、他の症状がでてきたり、誤治、壊病というものになる可能性もありますので、長期で試される場合は、慎重に考えていく必要があります。

【④ビタミン剤】
近年、ビタミン先進国のアメリカのほうでは、ビタミン剤は昔ほど効果があると考えていない論文がいろいろと出てきています。
中には、ビタミンを日常飲んでいる人のほうがガンになりやすいという発表もあります。
サプリメントとして販売されているビタミン剤は合成ビタミンといって化学的につくられてもので、食べ物のビタミンとは、全く違うものです。
食べ物に含まれているビタミンは、1つの種類のビタミンだけではありません。
1つのビタミンの量を多くとればいいものではなく、いろいろなビタミンをバランスよくとりいれていくことが重要です。
そのために一定量のビタミンをたくさんとるのではなく、食べ物をバランスよくとることが重要です。
また何種類かのビタミンをたくさんとればとるほど、よい働きをするとは限りません。
初回に体質を判断し漢方薬を選んでもらったときにサプリメントを加えていく場合。
慎重にしないといけません。なぜなら、サプリメントも体質に少なからず影響を与えるので、サプリメントの種類によっては、選んだ漢方薬とサプリメントのどちらの影響なのかわからないからです。

ブログの著者 国際中医師 松村直哉

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