漢方専門まごころ漢方薬店

根本からよくなるための計画

【本当に治るとは?】
病気が治るとはどういった状態でしょうか。
風邪だとわかりやすいですね。熱が下がって、咳をしなくなり、喉も痛くなくなります。
いつもの元気な状態になれば風邪が治ったと判断できます。
では、慢性病の場合は、どうでしょうか?
例えば、アトピーであれば、1ヵ月くらい漢方薬を飲んだ後、全身のアトピーがきれいになっているのでしょうか。
そんなことはあり得ないですね。外用のステロイド剤を使った経験がなく初めて、全身の湿疹に塗れば、一度にキレイになるかもしれません。
その後、効果が切れれば、もとの湿疹だらけの身体に戻りますが・・・

【漢方薬は1つの症状1つの病気ごとに対応しない】
ごく短い期間(患って1ヵ月位)の湿疹であれば、漢方薬によって全身の湿疹が全てなくなることもあります。
しかし、慢性的な湿疹の場合、身体全ての湿疹が一度に一変にキレイになることはあり得ません。
それは、他の慢性病でもそうですが、すべての不快症状が漢方薬を1ヵ月位飲めば一辺に治るなんてことはありません。
詳しくみていくと身体の変化としては、よくなった症状や変化のなかった症状といった、いろいろな状態にわかれます。時には、それにプラスされて悪くなった症状もでてくるかもしれません。
初めに選んだ漢方薬を飲み終えた後、全ての症状が一度に治っていない場合、次の3つのパターンのいずれかになります。

  1. そのまま同じ漢方薬を続ける。
  2. 変化した症状にあわせて漢方薬を変更する。
  3. 一度、やめて様子をみてから再度、漢方薬をはじめる。
風邪の場合は、治ってしまえば、元の健康な身体になるので、お薬をやめる判断も簡単です。しかし慢性病の場合、全ての症状が治ることなどないので、この3つの方法のいずれかを選ばないといけないのです。

【①そのまま同じ漢方薬を続ける】
一般的に漢方薬はゆっくり効いてくる。とか時間がかかるとか言われています。また3ヵ月かかるとか6カ月かかるともいわれていますが、全部デタラメです。
漢方薬は、ゆっくりとよくしていくものや早くよくしていくものなど、その漢方薬の性質とそれを飲む体質によって変わってきます。
風邪に処方する漢方薬が3ヵ月もかかって効いてくるのであれば話になりません。
漢方薬を3ヵ月、6か月と飲み続ければその後にすっかり治っているというわけではないのです。
体質(症状や状態)の変化は人によって様々です。
1ヵ月で何も変化がない場合、漢方薬を変更したほうがよい場合もありますが、自然治癒力が遅ければ、もう少し同じ漢方薬で様子をみていくことが必要な場合もあります。

【②変化した症状にあわせて漢方薬を変更する】
慢性病でも早い人であれば1週間くらいで変化がわかります。
1ヵ月トータルでみた場合、よくなってから悪くなって、またよくなった症状があったり、一定の波があります。
それらを総合的に判断して、漢方薬を変更していくのがよいかどうかを判断します。
身体がよくなっている場合、見方を変えれば、症状が変わっているということです。症状が変わっているということは体質も変わってきているのです。
そうであれば、現在の体質にあわせて漢方薬も変更していかないといけません。
変更するにも漢方の法則があります。詳しくはこちらをご覧ください。

【一度休止し、様子をみてから漢方薬を再開】
漢方薬を変更する際に1週間ほど、前の漢方薬の影響を抜くためにあえて漢方薬を中止してもらうこともあります。
また、アトピーやぜんそくの場合、変則的にこういった方法をとることもあります。
アトピーやぜんそくは、身体が非常に強いアレルギー状態になっているのです。
アレルギーは外界の刺激でおこりやすいので、時には、漢方薬や新薬を抜いてみて、そこから再考したのちに漢方薬を再開するという方法が有効なこともあります。

【まごころ漢方の根本からよくなるための計画】
漢方の一番、難しいのは、この3つの方法をどうするかです。
この3つの方法には明確な理屈やマニュアルがありません。なぜなら、病名が同じ人が来られたとしても、年齢や体格、体力、生活環境、それらを統合した体質がそれぞれ違うので、経験から学ぶしかないのです。
全ての人の漢方薬を飲む期間や漢方薬を変更していく計画は違ってくるのです。
3ヵ月や6カ月飲み続ければよいというのは、経験のない漢方理論を知らない人の苦し紛れにでてきた方法だったのでしょう。
まごころ漢方では、おひとり、おひとりの体質の変化をみながら、先の体質を予測しながら計画立てていきます。
そして、一定期間飲み終えた後は、その計画通りでよいのかどうかを検討しながらまた計画を検討修正し、できるだけ早く廃薬していきたいと考えています。

ブログの著者 国際中医師 松村直哉

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