漢方ってどんな効果があるの?
漢方薬や病院の薬の効能効果とは一体、どんなもの?
病院のお薬には、かならず効能効果があります。
生理痛を止めてくれる鎮痛剤は直接、痛みを止める効果や作用があります。
胃もたれを治してくれる薬は、食べ物の消化を促す胃酸を止めたり、増やしたりする効果や作用があります。
病院の薬は、薬の有効成分が、身体の治さないといけない部分に作用するようにつくられています。
鎮痛剤なら、神経に関係する部分や胃もたれなら、胃の消化液を分泌する部分などです。
病院は、身体の1つ1つを部品のように考えて、痛みを発生させるホルモンを抑えたり、胃酸の分泌を活発にさせたり、止めたりします。
皮膚なら皮膚の部分だけ。胃なら胃だけ、肝臓なら肝臓だけに効かせるといった感じに人の体を機械のように見立てて、機械の部品を修理するような感じで治していきます。
人の身体を細かく、化学的に分析し、臓器や神経が普段どんな働きをしているかを調べ、お薬のもっている成分で身体の働き自体を変えてしまうのです。
漢方薬の効能効果の正体
漢方薬の働きは実は、病院の薬の効能効果とは全く考え方が違います。
漢方では、身体の中の肺や胃、肝臓、腎臓はすべて、関わりあっていて、全部の臓器で全体的なバランスをとっていると考えます。
「胃が痛い」からといって、胃だけを部分的に診ても何にも解決しません。
また、胃の調子が悪いからといって胃という臓器だけを治療しても問題が解決するとは考えません。
例えば、頭痛の場合も「頭の部分的な痛みだけ」とは考えず、「身体全体の血の巡りが原因じゃないか?」と考えたり、胃もたれの問題は「胃の消化液」だけの問題じゃなく、「気が滞って、胃そのものの働きが鈍くなっているのではないのか?」と考えたり、身体全体のバランスをみて考えます。
漢方の『体を治す』考え方は、身体全体をみますので、当然、漢方薬は身体の部分、部分に働きかけるわけではありません。
水と火の効果で中和の働き
漢方薬の働きは、病院の薬のように、漢方薬の成分で身体の機能を変えてしまうのではなく、身体が冷えていれば、温める薬で冷えを調整し、逆にのぼせなどで余分な熱が身体にこもっていれば、冷やすお薬で身体を冷やすのです。
そうすることによって、身体の中で余計な事をしていたものが、中和されて、身体はもともと健康だった時の冷えすぎているわけでもなく、熱すぎて、のぼせているわけでもない、ちょうどよい状態にもどります。
それが、中庸で健康な状態だと漢方では考えます。
漢方の根本治療のキーワードは『ちょうど良い!』状態をいかにして漢方薬でつくりだすか。
何も問題がなければ、身体は本来の機能とリズムをとりもどし、病気も症状も何も気にならない健康状態を保ってくれます。
実際の体の状態は冷えも熱も混ざっている
漢方薬の働き方を簡単に説明しましたが、現実は、冷えているばっかりの人とか、のぼせてばっかりの人など、「熱だけの状態」、「冷えてるだけの状態」といった単純な体質の人は、ほとんどいません。
足はすごく冷えるけど、手は熱いとか、頭はのぼせるなど、いろいろな状態が1つの身体の中で混ざっています。
そのいろいろな状態が、その人独自の体質で、それにあわせて漢方薬を選びます。
漢方薬の効果は、『その人をちょうどよい状態にするものを選ぶこと』が、あなたにとって良い効果となります。
病院の薬は、症状を抑えることが治療となりますが、漢方では、臓器の働きや体内の働きでおかしくなった部分を調整することが治療となり、体質に合わせた調整が効果となります。
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【引用先及び参考図書・Webサイト】
◯ 漢方方意辞典:緑書房
◯ 類聚方広義解説:創元社
◯ 勿誤薬室方函:創元社
◯ 漢方診療医典:南山堂
◯ 漢薬の臨床応用:神戸中医学研究会
◯ 中医処方解説:神戸中医学研究会