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妊婦加算以前に当たり前な配慮ができているの!?

今回も引き続き『妊婦加算』について書きたいと思います。

一応、ネットの批判などから見直しの予定らしいですが、批判を受けてからの批判なので、つまり、厚生省も医者もおかしいとは思っていなかったわけです。

その辺りのことにツッコミつつ本質的な部分を考えてみたいと思います。

妊婦加算を導入した理由として、妊婦さんに対して配慮が必要というわけですが、妊婦加算で費用を多めに受け取ったところで、実際のところ、お医者さんが、その配慮をできるのかどうかというところに疑問が残りました。

妊婦さんにも「抗うつ剤」を平気で処方していた

過去に(2000年〜2008年)パキシルという「抗うつ剤」のお薬が妊婦さんに処方されていたことがあります。

いわゆるマタニティブルーに対しての処方です。

ですが、このパキシル錠は、妊婦が服用した場合に、胎児に先天異常をおこす危険性が客観的根拠から明らかになっているのす。

【こちらは、「薬害オンブズパースン会議」のHPより引用】
パキシルを妊娠初期に妊婦が服用した場合、胎児に先天異常を起こす危険性(心房中隔欠損や心室中隔欠損のリスクが1.5倍増加する)があります。妊娠20週以降にパキシルを含むSSRIを服用した場合、新生児薬物離脱症候群及び新生児遷延性肺高血圧症のリスクが増加するというデータがあります。 
患者が妊娠に気づいたときには、先天異常のリスクの高い妊娠初期を過ぎている可能性があり、パキシルには依存性があることを考慮すると、妊婦だけではなく、妊娠可能な患者に対するパキシルの使用を原則として禁止すること、やむを得ず使用する場合であっても、患者にリスクを十分説明し同意を得ることが必要です。 (引用終わり)

妊婦さんには、あってはならない副作用

新しいお薬に関しては、このような副作用が起こる場合があります。

なのに、胎児に先天異常を起こす可能性がある薬を長い間、妊婦さんへ処方してきたわけです。

これは、妊婦さんへの安全性など、全く配慮されていません。

お医者さんに悪気があるというわけではなく、「マタニティのうつだったら、抗うつ薬のパキシルでいいんじゃないか」という安易で浅いマニュアル的な考えで処方していたのだと思います。

心配するのは、妊婦加算という形があろうと、なかろうと、こういった、安易でマニュアル的な処方をいろいろな場面でお医者さんがやっているという現実です。

漢方薬の処方に関しても、うちでは、妊婦さんへの配慮はあるのか?と疑うような実例をいろいろと聞いております。

例えば、相談に来られた方で、妊娠中、便秘のため、病院で処方された漢方薬が、「桃核承気湯」「大黄甘草湯」という瀉下薬(しゃげやく)であったというお話をよく伺います。

これらの漢方薬は、どちらも大黄が入っており、漢方薬ではどちらかと言うと「堕胎薬」として用いられることもあるお薬なのです。

ですので、妊婦さんには禁忌の漢方薬なのです。

漢方薬は体質に合わせるので、絶対に出してはいけない薬ではありませんが、お医者さんの問題は、漢方的な体質を診もしないで、「便秘」という1つの部分だけに対応しようとしている、先ほどと同じ安易で浅く見識の狭いマニュアル思考です。

漢方的には妊婦さんに禁忌の処方なので、しっかりと体質を見極めて、その上で、さら飲まれた後の様子もお聞きしながら、処方すべきものなのに、『便秘やうつ状態』という1点の症状だけしかみないことが問題です。

漢方薬に関しては全体のバランスをみることが必須なのに…

妊婦さん対応は知っていて当然なのでは?

それなのに、漢方薬なら自然薬なので、大丈夫だという単純な考え方で病院は処方されているのかと思うと、恐ろしくなります。

こんないいかげんな状態が、お医者さんの中では常識化、状態化しているので、『妊婦加算』でお金をとって配慮するという、おかしな発想があったのかもしれないですが、『妊婦加算』以前にどの『科』であっても、医療の専門家として常識的に配慮すべきではないでしょうか。

産婦人科や婦人科でないからわからないというのであれば、全部の『科』をやればいいと思います。

そもそも、漢方は全身のバランスを調整することが治療ですので、漢方薬を扱っているなら、当然『全科』をやっていないとおかしいです。

また、妊婦さんの状態に関しても、医大で習っているはずですから。

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ブログの著者 東洋医学カウンセラー 松村陽子

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