漢方専門まごころ漢方薬店

西洋・東洋医学に対する僕の考え

医学について

漢方は、漢方の事だけ知っていればいいわけではありません。

相談に来る方は、病院の治療経験があることが多いです。

病院の治療も体質に対する影響があるので、病院の診断や治療方法、西洋医学の理論を理解しておかなければいけません。

またサプリメントは、食事の延長線上にありますので、世の中の健康食品のことも知らなければなりません。

そして、漢方は考え方の数だけ治療法がありますので、他の漢方をされているお店や先生の事も知らなければなりません。

それらについての僕の考えを書いています。

『考え』はすなわち、漢方相談の考え方や僕のお店を表していますので、こういった考え方から、こんなお店なんだなと思っていただければ幸いです。

西洋医学についての考え

病院に関しては、納得して治療してもらえるところが僕の家族では見つかっていません。

西洋医学はすばらしい医学だと思いますが、それを扱う人が使いこなせていないように思います。

漢方も含めて医学は、一般の方は詳しく知りません。

ですから、お医者さんのいっていることが「正しいのか」「間違っているのか」そのお医者さんの「能力は高いのか」「低いのか」が判断できません。

鵜のみにするしかありません。

一昔前のIT業界のような感じですね。パソコンを使わない方は、相手がパソコンのことについて嘘を言ってても、「その嘘がわからない」といったことです。

僕は、師匠が元細胞顕微外科医で友達にも医師はいますので、治療に必要な西洋医学のことは理解しています。

また医師の話も参考にしながら、現場の病院の治療のことなども参考にしています。

ご存知だったでしょうか?

『西洋医学の知識があること』を前提に病院に行くと、医者の診察の方法がマニュアル的で流れ作業的にしか感じません。

また、診察の時に説明で納得できなところ(西洋医学理論的に)があり、そのことを質問しても、師匠と友人の医師以外は、誤魔化すか、話をすり替えます。

ぜひ、そういった医学の専門的知識をもった人にでも堂々と納得させることのできる医師と出会いたいものです。

新薬で不思議なのは、お薬を飲んだ時に副作用が出た場合、「体質に合わない人もいる」という説明です。

でも、これって事後報告なんですね。

副作用でひどい目にあった後に言われます。

漢方薬は、その人に、どんなお薬が合うかを探すために、その方の体質を分析するのですが、新薬の場合でも、せめて、「こんな体質の方は副作用になりやすい」というのはないのでしょうか?(肝炎や妊婦など素人でもわかる明らかなケースを除く)

副作用になってから、「あわなかったみたいですね。」と言われても…と思います。
こういう部分も漢方と決定的な違いですね。

サプリメントについて

過去の仕事上でサプリメントの裏事情を知る機会がありました。

なるべく安いクズのようなグルコサミンやコンドロイチンなどを中国から買ってきて、ほとんどを添加物でかさあげしデッチ上げに近いようなデータを出して効果を宣伝し販売する手法。

そういったことが当たり前でした。

実際にそういった商品開発に加わり、安価な健康食品は飲むまいと決めました。

ただ、全てのサプリメントが悪いわけではありません。

いろいろなサプリメントを試してきた結果、もともと生薬だったものをサプリメントとして飲む場合は、結構、よいことがわかりました。

しかし、サプリメントといえど、自分の体質にあわせることは必要です。

逆にどんな体質の方にでもよいサプリメントは、どんな方にも影響ないサプリメントだと思います。それだったら、飲むことが無駄ですね。

体調が悪い時は、漢方薬でその時の体質にあわせて処方すれば事足りるので、サプリメントで飲みつづけているものはほとんどありません。

昔は、3種類ほど毎日サプリメントを飲んでいて体調がすごくいいと思っていました。漢方薬でその都度、体調を整えるようにしてからは、サプリメントを飲み続けなくてもさほど体調が悪くなるわけでもないことに気づきました。

ただ、漢方の分野である生薬のサプリメントは飲みつづけています。

もちろん、体質にあわせて1種類だけ飲みつづけてはいます。

僕のお店では、信頼のおける少数のサプリメントしか扱っていませんし、安いサプリメントなら飲まないほうが健康になれるとアドバイスしています。

漢方相談、健康相談のお店について

私は過去の仕事上、いろいろな漢方の薬局や健康相談を専門にしている薬局とおつきあいがありました。

私の父親は薬局を経営し、漢方やサプリメントを組み合わせた方法で相談する。そのノウハウを全国の薬局の方に講演して回っていました。

そんな経験の中で思ったことは、漢方と看板をあげていても、漢方薬を取り扱っているだけで実は漢方の事は知らないのに相談している店が非常に多いことでした。

これは病院も同じです。

高額なサプリメントを扱っているお店が多く、そのサプリメントの質はよいのですが、漢方からみると効率が悪く、高額です。

つまり、ものは悪くないかもしれませんが、目的を達成するまでに非常にコストパフォーマンスが悪いのです。(お店にとっては儲かるので悪くないですが・・・)

漢方薬の1種類で治すことができるものが、サプリメントだと1ヵ月分1万円位のものを3つ位、組み合わせて合計3万円かかったりしています。

しかも、体質にあっている漢方薬を飲む場合と比べて3倍位の期間がかかると思います。

こうなるとコストは1ヶ月換算ですと9万円かかりますね。

これでは、続けたくても続けることができません。

続けることができなければ、治りません。

まとめ

僕は、西洋医学もサプリメントも漢方もどううまく使い分けていくかが重要だと思います。

どれがすぐれているとかどれが劣っているとかではなく、どれをどんな時にどう使っていくかです。

うまく使い分けていくためのキーポイントは、自分の体質は他人と一緒じゃないということです。体質にあわせた治療をする。

自分の体質を理解し他人と一緒の治療ではよくならないというケースがあることを理解しなければなかなか、個性をもった自分の体質が他人と一緒の治療では、非常に確率の悪い治療になると思っています。