漢方専門まごころ漢方薬店

有名大学病院でも治らない皮膚病

【主な症状】
唇が腫れる

【医療機関で診察された病名】
ベーチェット病・肉芽腫性口唇炎。(病院によって診断が違った) ・アトピー(顔、首)

【年齢・性別・お住まい】
28歳・女性・大阪府豊中市

【具体的なお悩み】
◯唇が異様に腫れる。
◯口内炎。
◯口の両端が常に切れている。
◯顔の湿疹。(頬から顔の横にかけて赤みのある湿疹が広がっている)
◯よく目がかゆくなる。
◯夜中の目覚めがあり、毎日、睡眠が浅い。
◯月経不順になりやすい。(ピルでコントロールしていた)
◯お腹がよく張る。
◯足がむくむ。
◯便秘になりやすい。

【証と漢方薬】
最初は免疫専門の病院で肉芽腫口唇炎と診断され、1日ステロイド5mgを服用。

その後、大阪で有名な国立の大学病院で不全型ベーチェットと診断される。

1日にステロイド20gを服用。他、いろいろな薬を服用。一度にスーパーの袋2袋分位の薬を持って帰っていた。

皮膚科では、肉芽腫と診断され、(アレグラ、ルソッドを服用)
顔の湿疹は汗疹(あせも)と診断された。

当店で判断した証は、顔と首の湿疹は、ところどころコロニーができているので、汗疹(あせも)ではなく、菌による湿疹だと判断した。
漢方的な体質判断は、免疫のコントロールがうまくいかないことと、体丈夫に余分な熱が滞る【肝熱の証】【上焦の熱証】によるものと判断。

唇の腫れ(ベーチェット)、口内炎、口角炎は大腸の余分な熱が体の上半身に伝わる状態と胃に熱を持ち逆に他の消化器系が疲れる状態である【上焦の熱証】【胃熱脾虚の証】【裏熱の証】によるものと判断。

◎証としては以上の4つの証が混ざり合っている体質だと判断しました。

【服用14日後】
初回は、ベーチェット症状と顔と首の湿疹を同時に治療できないと判断して、アトピー治療から入ることにした。

ベーチェット症状の治療は、顔と首の湿疹を治る経過をみて、切り替えていくことにした。

顔の湿疹は、ほぼなくなったが首はかゆみが残っている。

唇の腫れは引いたが、体調によって腫れたり、引いたりするとのこと。

新たな口内炎はできなくなった。

【服用8ヶ月後】
順調によくなっていっていたが、唇の腫れと首の湿疹が復活してきた。

どうも、食生活の乱れが唇の腫れと首の湿疹に響いているよう。

漢方薬で治っていくのだけれど、食生活の乱れで後戻りさせている感じ。

「ちゃんとした食事をしよう!」と言う理想論は語るのは、簡単だけど、「わかっちゃいるけど…」が食養生の難しいところ。

一緒にいろいろと話し合って、徐々に食事を整えていけるプランを考えた。

漢方薬は、細かな調整をしていたが、大体は同じ方向性のものを飲んでもらっていた。

【次の処方への考え方】
月経が自然周期で35日で来るようになった。

月経痛も今まで立っていられないくらいだっけれど、今回、何も不快な症状がなかった。

漢方薬は、【上焦の熱証】【血虚の証】【肝熱の証】の調整に血の巡りが悪い【瘀血の証】を整える部分も合わさったものをメインとした。

血の巡りは月経周期や女性ホルモンとも関係するため、ベーチェットの治療でやっていることが月経不順にも役立ったのだと思われる。

【服用16ヶ月後】
途中、手湿疹なども発生して、漢方薬もそれに合わせていろいろと変更したが、唇の腫れ、口内炎、口角炎を治す方向性としては、【上焦の熱証】【血虚の証】【肝熱の証】【瘀血の証】を調整する漢方薬とし、手湿疹は、体表面、手足の余分な水の巡りが悪くなる【表の水毒の証】を調整する漢方薬としていた。

唇の腫れはなくなり、口内炎はできなくなり、口角炎で唇の端は切れなくなった。

【症状の変化と結果】
この後もひどくがないが、唇の腫れが気になる程度であったりしました。

漢方での治療期間が長いように思われるかもしれませんが、相談に来られたときは、某有名大学病院なども合わせて5年間治療して、何も治っていませんでした。

振り返って分析すると、悪化するときは食べ物と関係していたがわかった。

根本治療は、体質に合った漢方薬と悪い体質を作り出している生活習慣の調整という両輪が揃わないと、完治にも時間がかかります。

また、食事や運動を良いものにするというと、「一般的に良いこと」をアドバイスされることが多いですが、生活を整えるのも、その人の『体質』『精神』『生活習慣』に合わせた方法を考え出さないと、付焼き刃なものとなり、結局、続かないし改善もできないことが多いのです。