チョコレート嚢腫(卵巣嚢腫)の破裂
【主な症状】
ひどい生理痛、不正出血、慢性的な疲れ・頭痛・下痢など
【医療機関で診察された病名】
チョコレート嚢腫(のうしゅ)
【年齢・性別・お住まい】
36歳、女性、神奈川県横浜市
【病気の始まり】
ひどい生理痛、下痢や体の冷えは3年前から
【具体的なお悩み】
半年前にチョコレート嚢腫が破裂、3ヶ月の入院、そこから体力が極端に落ちました。
よくない症状としては、ひどい生理痛、毎日少量の不正出血、慢性的な下痢・冷え・疲れ・頭痛、のぼせ巻、微熱感、眠りが浅い、耳鳴り、胃もたれ、夜中のおしっこ。
【証と漢方薬】
卵巣嚢腫は破裂したのは半年前からだが、もっと前からあったと考えられます。
相談する前の病院での治療が手術を前提となっている治療で、全身の状態をみると、とてもじゃないが、手術に耐えうるような状態でない感じでした。
体力がなくなっている虚証と、消化器系が弱っている脾虚が強くみられました。
血の巡りの悪い瘀血証も強いが、虚証、脾虚と重なっているので、穏やかな漢方薬を選びました。証はいろいろありましたが、虚証、脾虚から順に補う治療方針としました。
【服用1ヶ月後】
最初は、下痢や冷えなどが治りました。
手足のほてり、体全体の寒がる感じがなくなったとのこと。
寝つきもよくなり、睡眠の状態もよくなり、疲れやすさなどはマシになってきたけれど、他はまだ良くなっていない。
【次の処方への考え方】
体力は徐々についてきた感じなので、上半身の熱を取り去り、気と血を巡らせる漢方に変更し、今までの補気、補脾の漢方薬は補助薬に。
【服用2ヶ月後】
頻繁だった下痢は、やや回数が減って、下痢だけでなく軟便にもなったりするようになりました。
不正出血の原因は、ジェノゲストだと考えていたので、二人で話あった結果、前回から中止しました。その結果、不正出血はなりました。
手足のきつい冷えとめまいがマシになってきました。
【症状の変化と結果】
4ヶ月後に病院で卵巣の検査の行いました。
1年前の病院のエコー検査の結果と比べると、左が6cmが3cmに、右が4cmが2cmと小さくなっていました。
卵巣嚢腫は漢方薬で小さくなったが、体全体では、まだまだ治したいということなので、漢方薬での治療自体はまだ続いています。
漢方的には、卵巣膿腫を治療する場合、膿腫を小さくすることを目的としますが、病院のように薬でホルモンバランスを崩すことによって、膿腫そものだけに対して、調整するわけではありません。
漢方の場合は、血や水が下腹部で滞りやすい体質を治していくことによって、膿腫を小さくすることと、今後、膿腫ができにくい体づくりを目指します。