漢方専門まごころ漢方薬店

効果の高い漢方薬と効果のない漢方薬

漢方薬の効果は自然環境で変わる

病院の薬は、化学合成で工場の管理下のもと作りますので、薬ごとの効果の差というものは基本的にはありません。

漢方薬は、化学合成ではつくれません。

すべて、自然界でとれるものです。

漢方薬は、何種類かの生薬で構成されています。

例えば、当帰芍薬散なら、当帰、芍薬、川キュウ、白朮、茯苓、澤瀉といった6種類の生薬です。

生薬は、すべて、自然界でできているものです。

野菜やお米と同じです。

食べ物と同じで、生薬ごとに良いものが育ちやすい気候とか、良いものが育ちやすい土地があります。

「当帰や葛根は奈良などの土地で育ったものがよく、柴胡は静岡県で育ったものがよい」などがあります。

栽培品がよい場合もあるし、野生の生薬がよい場合もあります。

ですから、漢方薬のもととなる生薬には物の良いものから粗悪で悪いものまで。ピンからキリまであります。

当然、育ちが悪く、品質の劣るものは、効果もよくないです。

自然の漢方薬と化学の漢方薬

漢方生薬の品質は化学で研究されています。

その漢方生薬の主たる成分がどれくらい含まれているかを調べるのです。

これは、今後の漢方の研究としては、必要かもしれませんが、現場の治療では直接は関係ありません。

なぜなら、漢方薬は、病院の薬のように何かの主成分が作用して治しているわけではないからです。

また主成分といっても、研究側の人間が勝手に決めているだけで、漢方薬の中の、その成分だけが効いているわけではないのです。

それが、西洋医学とは異なるところです。

おそらくこの先、化学が進み1つの生薬を研究していけば、もっと莫大な数の有効成分が確認されるでしょう。

ところが、有効成分がわかっても、化学的な理論がわかるだけで、現実の実践の漢方治療に即戦力にはなりません。

品質に関しては、こういった研究がされているので、漢方薬を扱っている方の中には、漢方薬の成分にこだわり、有効だと考えている成分が多ければ、よく効くと考える方もいらっしゃいます。

でも、結局は複数の生薬があわさった漢方薬を体質にあわせて選ばないといけないので、直接的に主成分や有効成分は関係がないのです。

品質のよい漢方薬の役目

もちろん、より良い品質の漢方薬を使っていくことは大切です。

以前、病院でツムラの桃核承気湯という処方を1年間飲んでおられた方が相談に来られました。

私が体質分析をしたところ、やはり同じ桃核承気湯でした。

以前からツムラさんの漢方は、漢方業界で効果が弱いという噂(あくまで噂です)があったので、ツムラさんの桃核承気湯は廃止して、私のところの漢方薬を飲んでもらうことになりました。

そうすると5日で、ずっと気になってよくならなかった症状がよくなりました。

品質を感じた経験でした。違う漢方薬で似たような経験はいくつかあります。※ツムラさんの漢方薬が噂通り効果が弱いのかどうかは真相はわかりません。効果が弱いというのはあくまで業界の噂です。

漢方薬は体質にあわないと意味がない

漢方薬の品質よりもっと大事なことがあります。

それは、その漢方薬が本当に体質にあっているかどうかです。

漢方薬は、体質にあっていなければ、よい変化もおきないので、効果がよいのかどうかもわかりません。

よく先生同士で、「この漢方薬は質が悪いとか良い」とか話ますが、僕たちは品質以前に、まず体質がちゃんと判断できているかどうかが重要です。

その次に、より品質のよい漢方薬を使うということです。

ものすごく、品質のよい漢方薬でも、体質をちゃんと判断することができず、体質とあっていない漢方薬を選べば、結局その漢方薬は、あまりよくない漢方薬だったという結果になります。

そうなると、

『漢方薬の品質が悪いのか?』

『選んだ先生の体質を見極める力が悪いのか?』

どちらとも判断がつきません。

とにかく、まずは、どこのメーカーさんの漢方薬であっても、体質をできるだけ正確に判断し、その体質にあった漢方薬を選ばないといけません。

いろいろな品質の漢方薬

漢方薬はいろいろな漢方メーカーさんが製造しています。

安い値段で売って、その分たくさん買ってもらうよう、考えているメーカーさんや漢方薬の原料になる生薬にとことんこだわったメーカーなど様々です。

これは、食事と同じです。

特産地のとれたての食材を使った料理は栄養も豊富で、当然おいしいです。

同じ食材でも外国産などの安いものを使った料理は、栄養は少なく、先ほどの食材とくらべればあまりおいしくありません。

食事のおいしさは、漢方では、効果みたいなものです。

また、現代では、漢方薬のエキスも主流になっています。

メーカーさんによっては、エキスの抽出方法にこだわっていたり、漢方薬を構成している生薬の分量比にこだわっていたりします。

漢方薬ひとすじ!といった感じで、されてきたところほど、生薬の品質やつくり方にこだわっています。

体質にあっていなくても品質でカバーする

生薬の品質がよくても、体質にあっていなければよくないです。

では、品質はこだわらなくてもよいのか?

そんなことはありません。

品質が悪い漢方薬は、身体に何の変化も与えません。
漢方薬は、治るか、治らないかで選ぶわけではないので、なんらかの変化がおきないと次の治療の手が考えられないのです。

例え、選んだ漢方薬が体質にあっていなくても、品質のよい漢方薬なら、なんらかの変化を与えてくれます。

これは、効果ではなく変化です。なので、副作用的な不快な症状を引き起こすこともあります。

でも、その変化をたよりに次の漢方薬を考えることができるのです。

そうでないと、いつまでたっても、漢方薬を何種類も変えても、毎回、よくわからない…となってしまいます。

ですから、漢方薬の品質がよいことに越したことがないのです。

まずは『体質の判断』をしっかりとして、最適だと考えらえる漢方薬を選んで、症状の変化をみていきましょう。

★当店では、しっかり全身の状態をみて、あなただけの体質を判断して、最適な漢方薬をお選びします。
大阪在住でない遠方の方でもネット漢方相談、電話漢方相談を行なっています。お店に来れない方もぜひ、ご相談ください。

●ご相談ご希望の方はこちらの 『漢方無料相談』 に現在の体の状態を入力し送信してください。

「お問い合わせ及び、ご来店、電話相談のご予約など」はこちら から送信してください。

【引用先及び参考図書・Webサイト】
◯ 平成薬証論
◯ 漢薬の臨床応用:神戸中医学研究会
◯ 近代漢方薬ハンドブックⅠ:薬局新聞社刊
◯ 近代漢方薬ハンドブックⅡ:薬局新聞社刊
◯ 近代漢方薬ハンドブックⅢ:薬局新聞社刊

ブログの著者 国際中医師 松村直哉

ブログの著者 国際中医師松村直哉

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