漢方専門まごころ漢方薬店

桂枝茯苓丸の漢方的な本当の効果ってなんでしょう?

桂枝茯苓丸どんな病気で使うのか

ツムラだったら25番の桂枝茯苓丸って、実際はどんな効果のお薬なのでしょうか?

ニキビの薬と勘違いしている人もいますが、どんな病気の人に使うかというと、

【 生理痛、生理不順、無月経、月経過多、月経過小、PMS、不妊症、子宮内膜症、子宮筋腫、痔核、卵管炎、卵巣嚢腫、チョコレート嚢胞、高血圧、いろいろな出血、子宮付属炎、ニキビ、虫垂炎、尿路結石、乳腺炎、前立腺炎、慢性肝炎、腹痛、腰痛症、高血圧症、蕁麻疹、アトピー、シミ、静脈炎、紫斑病、しもやけ、むち打ち症、更年期障害、うつ病など 】

どんな病気でも桂枝茯苓丸は効果がありそうですね。

実は、漢方薬や、ここに書いた病気だったら治るものという意味ではありません。

桂枝茯苓丸の漢方的な効果は、上半身に熱がたまって、下半身は冷える状態の上熱下寒の証と、気が肩から上に滞って、いろいろと嫌な症状を引き起こす状態の気の上衝の証という体質をもっている方で、上に書いたような病気であれば、「桂枝茯苓丸で治せるかもしれない」というものです。

「なぜ、治せるかもしれない」と書いたのかと申しますと…

漢方薬は、事前に体質を分析して診断しますが、その診断した体質が合っているかどうかは、飲んだ後に、いろいろな症状が治ってくれば、『桂枝茯苓丸とあなたの体質が合っていた』と、その時に初めてわかるからです。

ちなみに同じ病気でも、体質が変われば、あなたtに合う漢方薬はガラッ!と変わります!

例えば、桂枝茯苓丸の効果と正反対な感じのものが当帰芍薬散ですが、同じ、PMSの方でも、あなたは桂枝茯苓丸でPMSがよくなるかもしれないですが、友達のPMSは、あなたの体質が全く違うため、桂枝茯苓丸では、治りません。

上に書いた病気は、かならずしも桂枝茯苓丸が治せる病気というわけではないということです。

漢方では大事なのは、『病名』よりも『体質』を診断することですね。

桂枝茯苓丸の合う人の症状

よくある症状がへその左下の痛みです。

生理痛が強いという人も多いです。

どちらかというと、生理前に腹痛などが強く、生理が始まると、痛みが弱くなっていくというタイプの人が合います。

逆に生理前は冷える、下痢になるけれど、生理が始まると、疲れてくるなどの人は、桂枝茯苓丸とは正反対の効果の当帰芍薬散系が合うタイプだったりします。

桂枝茯苓丸は上熱下寒の証というのが大きな特徴なので、『のぼせや耳鳴りがあって、熱く感じたりすることがあるが、足先は常に冷えている』ということがあったりしますよ。

桂枝茯苓丸で現れる症状は…

【 華奢で弱々しくない、あまり色白でない、肌は少しハリのあるタイプ、舌の裏に紫色の血管が2本見える、貧血ではない、下腹部の痛み、月経不順、月経過多、腹痛、腰痛、下腹が張る、ふくらはぎに静脈が浮いている、不正出血、便の色が濃い、肌荒れ、口が乾く、温度差で顔が赤くなりやすい、首から上の熱感が強い、頭痛、頭重、肩こり、足が冷える、耳鳴り、動悸、めまい、特に理由なくイライラがある、寝つけない など 】

桂枝茯苓丸の具体的な効果

桂枝茯苓丸はズバリ、血の巡りを整える漢方薬です。

実は、血の巡りを整える漢方薬は、いろいろあります、

それぞれ、血の巡りの整え方が違うのですが、桂枝茯苓丸は、血熱といって、血が余分な熱をもって巡りが悪くなっているものを治します。

逆に冷えて、血の巡りが悪くなっているタイプには使えません。

血を冷やすので、そんな人に使ったら、副作用になります。

桂枝茯苓丸は、下半身が冷えている人に合うはずなのに血を冷やすって変ですね。

実は変じゃないんです。

足先の冷えは、血が巡らなくなっても冷えるのです。

冷えには、温める力が弱った状態と巡りが悪くなって、冷える状態があるのですね。

どっちも冷えることには変わりないので、体全体をみて、自分が、どっちのタイプなのか、または、『気』の問題で冷えることもあるので、そういった全く違う原因なのかを見極めていく必要があります。

結局、『足が冷える → だから血の巡りが悪い』なんて、単純な問題ではないので、漢方薬を飲む際は、しっかり全身の状態をみてもらってください。

★当店では、しっかり全身の状態をみて、あなただけの体質を判断して、最適な漢方薬をお選びします。

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【引用先及び参考図書・Webサイト】
◯ツムラ医療用漢方製剤マニュアル
◯オースギ医療用漢方製剤マニュアル
◯漢方方意辞典:緑書房
◯類聚方広義解説:創元社
◯勿誤薬室方函:創元社
◯漢薬の臨床応用:神戸中医学研究会
◯中医処方解説:神戸中医学研究会
◯近代漢方薬ハンドブックⅠ:薬局新聞社刊
◯近代漢方薬ハンドブックⅡ:薬局新聞社刊
◯近代漢方薬ハンドブックⅢ:薬局新聞社刊

ブログの著者 国際中医師 松村直哉

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