漢方専門まごころ漢方薬店

耳鳴り、難聴は漢方薬で早期治療

耳鳴り、難聴はなかなか治癒が難しい病気です。

その原因は1つではなく複数、考えられます。

「原因はコレだ!」と明確に診断されれば、治療もどうすればいいのかがわかるものですが、原因を特定することが、この病気はとても難しいのです。

耳鳴りの原因は病院でも謎

病院で、外耳炎、中耳炎、内耳炎、聴神経腫瘍、狭窄症、と診断された場合は、原因がわかっているので対処ができます。

病院の診断で、「うーん、原因はストレスかな?」「神経の問題かもしれないですね。」というようなざっくりとした場合は、病院でいくら治療を続けても医者は原因を特定できていないわけですから治療は原因とズレている可能性が高く、それでは根本治癒に近づけるわけがないですね。

なんとか、状況を変えたくて、インターネットなどで調べたら「サプリメントで、よくなった!」という事例が山のように出てきます。

どのサイトを見ても、いかにも「これを飲んでたら治るかも!」と思ってしまうような素敵なサイトばかりです。

イチョウの葉エキスや、蜂の子のサプリメントが代表的です。

サプリメントでは治らない

イチョウの葉エキスは血行をよくする効果がありますが、耳鳴りや難聴を治せるくらいのパワーは生薬としてはないと思います。

蜂の子は豊富なアミノ酸とビタミンBが成分で、成分的にはプロテインと同じようなものです。

体は元気になるかもしれませんが、耳鳴りや難聴の治療には、ほど遠いように思えます。

(ビタミンBが神経を治すみたいに言いたいのかもしれないですが)

ですので、耳鳴りサプリメントを飲んでたら治るだろうというのは、かなりの気休めのような気がします。

耳鳴り、難聴は時間が経つほど治らない

耳鳴りの治癒を難しくしている点は、耳鳴りの状態が長期化するとその状態が固定化されることです。

そうなると治癒の可能性がかなり低くなります

これは、長年の治療経験からわかったことですが、耳鳴りや難聴になって半年以上過ぎた場合は、なかなかよくなりませんが、逆に治療が早ければ治る可能性が高い病気なのです。

もし、耳鳴りや難聴の症状が出てきたら、できるだけ早く病院で調べて原因を追求し、もし何が明確な原因かが特定できなかったら、漢方薬での治療をおすすめ致します。

耳鳴りの原因は人それぞれ

耳鳴りの漢方薬と言えば、『苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)』が有名ですが、これも漢方治療の経験からこの漢方薬で耳鳴りや難聴がよくなったという例がほぼありません。

苓桂朮甘湯が効くのは『かなり初期』か、『放っておいても治ったかもしれない軽い耳鳴り』です。

漢方薬と一言で言っても、証(体質)を診て処方しますので、体質を詳しく診ていくと下に書いたようにいろいろなタイプに分かれます。

(耳鳴りで考えられる体質タイプ)
❶ 皮膚表面の水の巡りが悪くなり、その水が原因で耳鳴りを起こしているタイプ。

❷ 胸のあたりに気が滞り、熱がこもりやすくなり、余分な気と熱が原因で耳鳴りを起こしているタイプ。

❸ 便秘気味で大腸の熱がこもり、大腸の熱が耳に登って耳鳴りを起こしているタイプ。

❹ 気と熱が頭の部分で滞って耳鳴りを起こしているタイプ。

❺ 胃腸に留まった水が耳鳴りを起こしているタイプ。

❻ 貧血気味で血が不足して、それが耳鳴りを起こしているタイプ。

❼ 腎臓機能が弱って、水の巡りが悪くなり耳鳴りを起こしているタイプ。

と、7つの体質タイプ(証)から、それに合った漢方薬を選んでいきます。

耳鳴りの漢方薬の選び方

先ほどの『苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)』は「気と熱が頭の部分で滞って耳鳴りを起こしているタイプ」の証にあたり、その証の場合に考えられる漢方薬は7種類ほどあり、苓桂朮甘湯はそういった原因の耳鳴りで使う処方の中の一つです。

漢方薬の選び方を簡単に解説しますと、一段階目で体質を7つの証の中のどれかに絞ります。(1つの証に絞れたら、より簡単ですが証が2つか3つ、重なることもあります。)

二段階目で、その証で考えられる複数の漢方薬の中から選ぶことになります。

最初は耳鳴りを治せそうな漢方薬が全部で40種類ほどあって、それを大まかに7つの体質タイプにわけて、7つの体質タイプに対応した漢方薬は6種類くらいありますので、その6種類の中から、更に一番、体質にあっていそうなものを選んでいくといった感じです。

ですので、保険適用の漢方薬のように漢方薬=『苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)』と体質(証)を診ることを無視して、耳鳴りの漢方薬として飲む事は、『漢方治療ではなくなってしまっている』ので、効果がないどころか、副作用に見舞われる可能性もあるので、ご注意ください。

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【引用先及び参考図書・Webサイト】
◯ 漢方の歴史:大修館書店
◯ 図説東洋医学:学研
◯ 中国医学の秘密:講談社
◯ 陰陽五行説:薬業時報社
◯ まんが漢方入門:医道の日本社

ブログの著者 東洋医学カウンセラー 松村陽子

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