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「飲んだら治る!」という情報には要注意

先日、医療情報サイト「WELQ」が不確かな医療情報を大量生産し、サイト閉鎖に追い込まれたという事件がありました。

ですが、「WELQ」がWeb上から排除されても、何も問題は解決していないというこんな記事があります。

WELQの方がマシだった? ネットの医療情報は今、どうなっているのか

こちらの内容は、ネットで検索できる医療情報サイトの順位が、医学的には信頼性の低い、SEO対策をしたサイトの方が高く、比較的信頼性が高いはずの大学や公的機関のサイトは、この半年で順位が下がっているそうです。

どうして、このようなことが起こるかというと、ネットの検索順位が上がる仕組みとして、ネットユーザーが熱心に閲覧すると、そのサイトの検索順位が上がるからです。

どちらかと言えば、比較的信頼性が高い大学や公的機関のサイトの医療情報は、難解でわかりづらいので、好んではなかなか熱心に読まれる方はいらっしゃらないでしょう。

もし、自分の検索した言葉で、上位に出てきたサイトがとても簡単で読みやすく、自分の求めている思いと同じなら、思わず読んでしまいますよね。

例えば、「がん」のことを調べたかったとしたら?『がんが治る!』という言葉が目に飛び込んできたら、真剣に読んでしまいませんか。

皮肉なことに大学病院などの情報は、科学的に責任を持って書いてある情報なので「がんが治る!」などというような無責任な言葉は見つかりません。

「WELQの方がマシだった? ネットの医療情報は今、どうなっているのか」の内容を一部抜粋:

『情報の信頼性を重視するサイトであれば、「末期がんが治る」などと断言することはない。しかし、末期のがん患者にとって、知りたいのは「治る」とはっきり言ってくれる情報だ。』

抜粋ここまで。

誰でも「治る!」と断言してくれている言葉にすがりたくなるものです。ですが、残念なことに、現在の医療では、「がんは治る。」とはっきりと言い切れるような機関は世界中のどこを探してもありません。

ですが、どうしてもそのような言葉があるサイトに引っかかる理由としては、どこか患者さん側が常に飲んだだけで良くなるものを追い求めているから。
が、あるのかもしれません。

「飲んだら治る!」という意識の患者さん側にも責任がないとは言えないかもしれません。

さきほど、ご紹介したブログの内容の中にも、「末期がんが治る」という文句で、高額な漢方薬を売っている例が出ていました。

そもそも漢方薬は、すぐに病気を治すようなものではなく、病気が良くなるように手助けしてくれるものです。
漢方のご相談にはじめて来られた方に「漢方薬を飲むだけでは、病気はよくなりません。食事や生活養生も合わせて病気が克服できるのですよ。」
というお話を実際にすると、漢方薬を飲んだら症状が良くなるもんだと思っていらっしゃった患者さんは、とてもガックリされます。

よくよく考えたら、これまでの西洋医学の歴史が、「薬を飲めば治る」というような曖昧な考えを当たり前に思うように患者さんに浸透させてきたことが、「薬さえ飲んでいれば治る」という都合のよい解釈をしてしまう原因になっているのかもしれません。

「〇〇を飲んだら病気が治る」という誘い文句で患者さんの思いにつけ込む業者などの悪質なサイトをどれだけ駆逐したとしても、手を変えながら次から次へと出てきて、ある意味、どこまでいってもなくならないと思います。

それよりも、自分にとって都合のよい医療情報はとても魅力的ですが、本当の情報は、都合の良いことばかりではないことが多いということを知らなければなりません。何かを克服、成功させるためには、かならず何かの代償が必要となります。

便利なネット時代に見えて、実は、とても複雑でややこしい情報時代になってしまっていることに矛盾を感じますが、本当の情報を患者さん自身が見極める必要があるのではないでしょうか。

私たちも漢方の専門家としてできるだけわかりやすく、確かな情報をお伝えできるようにしたいと日々、思っています。

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ブログの著者 東洋医学カウンセラー 松村陽子

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