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妊娠しているのに、氷をかじるのをやめられない!!

ある雑誌を読んでいると、妊娠中の疑問に答えてくれるQ&Aコーナーから、気になる質問があったので、ピックアップしてみました。

妊娠8ヶ月の方の質問:『氷をかじりたくなります。赤ちゃんが冷えてしまわないかと不安ですが、やめられません。どうしたらいいでしょうか?』

病院の先生方のお答えは2つ。

答え1:「鉄欠乏性貧血であることも考えられるので、血液検査を病院で相談して行ってください。」

答え2:「冷えは妊婦さんによくないので、あまりおすすめできないですが、なぜか氷をかじりたくなるという妊婦さんは多いのです。あまりたくさんでなければ、無理にやめることもないでしょう。」

とのこと。

気になるポイントは、この先生がおっしゃる通り、氷をかじりたくなる妊婦さんは実際に、けっこういらっしゃるということ。

こういった方は、元々の体質もあるかもしれませんが、妊娠されたために腎に負担がかかり、体が氷を欲していると考えられます。

これは漢方的に見ると、腎が弱くなっているために腎の水での体温を調整する機能がうまく働かずに体が熱くなりすぎているのです。ご存知の通り、腎臓の働きは、体のいらない水分を濾過して尿とします。

腎が弱くなって、妊娠する前よりも水分がうまく外へ出ていかずに、水分と共に出て行くはずの熱が体に留まった状態を作り出してしまうのです。

腎が弱ることによって、熱が体の中にこもってしまうという状態は、体の中を私たちが暮らす部屋に例えた場合、クーラーもかけずに過ごしていて、暑くてたまらないというのと同じです。

そこへ、氷をかじる行為というのは、いきなり水風呂に入って、急激に体を冷やしてしまっているのと同じようなことです。暑過ぎる状態、冷えすぎている状態、どちらも
体にはよくありません。本来なら、クーラーでちょうどよい温度設定の部屋で過ごすことがベストです。氷をかじらずにすごせる体にしなければなりません。

そのため、漢方では、体の熱を下げるために黄芩(おうごん)という生薬が必要とされます。黄芩が入った生薬構成の漢方薬がこういった方には合っていると考えられます。

氷をかじりたくなるという妊婦さんは、腎が弱くなっているかもしれません。私の母も、慢性腎炎で、しょっちゅう氷をガリガリと食べていました。水を飲みたいのではなく氷が欲しくなるそうです。

水では、思ったように体が冷えないんだと思います。妊婦さんでなくても普段から氷を食べたいと思われる方は、もしかしたら腎が弱っているサインかも知れませんので注意してください。特にこの症状に「オシッコに頻繁にいく」などが加わるとよくありません。

氷をかじりたくなった妊婦さんは、後々、腎炎などの病気を引き起こさない為にも産後のケアをしっかりして、妊娠腎などにならないように気をつけてくださいね。

妊娠・出産は、腎にかなりのダメージをおよぼす可能性があります。人によっては、腎以外に、ダメージがある場合もあります。

うちでは、体力的に不安な方には、妊娠中も出産後もその方の症状に合わせて、漢方をお出ししています。体内環境を部屋で例えれば、その時、その時、過ごしやすい状態を体の中で保つことを考えています。

妊娠・出産は、女性の体にとって大きな大きな変化の連続です。通常の生活ではなんともなかったとしても妊娠することによって、体のバランスが大きく変わることは、ある意味しょうがないことかもしれません。

漢方薬なら、妊娠して飲んでもお腹の赤ちゃんに影響のないものを選ぶことができます。(漢方の専門知識が必要ですが・・・)

もちろん、妊娠安泰の漢方薬もありますよ!妊娠時期にも漢方薬と上手につき合っていくことをおすすめします。

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ブログの著者 東洋医学カウンセラー 松村陽子

ブログの著者 東洋医学カウンセラー 松村陽子

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